とある街に一人の一般男性が歩いていた

0, prologue

 

とある街に一人の一般男性が歩いていた。

どこにでもいるその一般男性は、月給20万と普通の平凡な人生を歩んでいた。

 

毎日同じ事の繰り返し、寝て、食べて、仕事に行くそんな毎日にある日一人の女神にあった。

その女神は、年収2000万の有名女性声優であった。

 

「俺もあんな人みたいになれたら幸せなのに、」

 

そんな愚痴を吐きながら、今日も今日とてチキンカツ定食を食べていた。

そんな今日もチキンカツ定食を食べていると、隣に老婆が座って来たのだ。

 一般男性は「こんな揚げ物屋さんに老婆とは珍しいな」と心の中で呟く。

 

老婆は自分と同じチキンカツ定食を食う。

老婆は急に話しかけてきた。

 

「おちんぽぉー!!お前には何ができる?」

 

一般男性は驚いたが、その直後に老婆のもとに置かれたチキンカツ定食を見て、「俺は、俺は、年収2000万の男になります。」と老婆に答えた。

老婆はその答えを聞いて「ほぉ〜、しかしお前には覚悟が足りない」

そう言い残しチキンカツ定食を平らげ「おちんぽぉー!!」と言って店を去る

それを見ていた一般男性とその他の客は「何だったんだあいつ?」とみんなが心に思った。

 

明日から普通の生活が始まる、なんの変哲のない日常が………

 

 

1.突然の年収2000万カレー屋宣言

 

次の日、

彼は仕事を休み、定食屋に向かう。

あの老婆の言っていた「覚悟」の意味がもしかしたら分かるかもしれない。

 

店内に入った一般男性は店員に向かってこう言い放つ。

「すいません、昨日と同じチキンカツ定食をください」

意を決して聞いた事はまさかのチキンカツ定食であった。

代わり映えしないチキンカツ定食が目の前に置かれた。

すると店員にこう言われた。

「あなた、もしかして月収20万円、賞与1.53ヶ月分、年収280万程度でしょ?」

一般男性は絶望のあまりこう答えた。

「僕、今の自分を変えたいんです。」

それもそのはず、彼は幼い頃からカレー屋を開きたいと思っていたのだ。

何故カレー屋さんなのか、それは20十年前に遡る、

 

自分の家は少し貧しく幼い頃はあまりご飯を食べさせてもらえなかった、

しかしその中で一月に一回カレー屋さんがうちの目の前を通る日があった、

その日だけ特別にカレーが食べれたと言うのが自分がカレー屋さんを開きたいと言う夢を持った

 

しかしその夢はとうの昔に終わった。

 

所詮夢は夢だ、叶えるか否かは自分次第、出来ると思えばなんでも出来るアイドルがそう言っていた。

自分はこれからもこの店を訪れる、その度にこのチキンカツ定食を注文して食べる。

 

 

2.社長からの誘い

 

それからしばらく会社を休み続ける彼に、社長が電話をかけてきた。

 

一般男性は恐る恐る電話を出る、

 

「もしもし?」

 

社長は彼を心配して

「どうしたんだ?一般男性。仕事に来ていないようだが、何かあったのか?」

そこで一般男性は思いきってこう答えた。

 

「実は俺この会社を辞めて年収2000万になるために頑張ろうと思うんです!」

 

一般男性は決意した、現状を変えるべく会社を辞め新たな道を切り開くために社長は一言こう言った。

「お前の気持ちはわかった。でも、最後にお前とどうしても行きたいライブがあるんだ。一度会社に来てくれないか?」

 

一般男性は不思議に思ったが、会社の食堂のチキンカツも悪くないなと自分に言い聞かせ、重い腰を上げて会社に向かった。

 

 

チキンカツを食べながら。

 

 

3. turning point in life

 

会社に着くと社長が待っていた。

 

「一般男性、待っていたぞ」

 

50代ぐらいのその男はここのトップに立つ人だ。

 

「行きたいライブってなんですか?」

一般男性は不本意ながらこの会社に来た、それに勝るライブの情報であって欲しいと思った。

 

「このライブなんだが、」

差し出した紙には、年収2000万の有名女性声優が写っていた。

その時一般男性の脳裏には幸せそうな彼女の姿が浮かんだ。

 

彼は今までの迷いも全て捨て去り、社長に言った、

 

「そのライブ、行かせてください!」

 

一般男性はこの日を境に人生を大きく変えることになるとは、この時は誰も予想していなかったであろう。

 

 

そう、あの老婆以外は…

 

 

4, 覚悟とは

 

ライブまで後一週間を切った、コールも全てマスターし資金もバッチリ確保した。

今日は久々にあのチキンカツ定食を食べに行こう、そう思い自転車を飛ばした。

 

店に着き中に入ると、見覚えのある老婆が座っていた、一般男性は(あと時の老婆!?)

と直ぐに察した。

 

一般男性は覚悟を持ちその老婆の隣に腰をかけた。

「お婆さん、教えてください!僕にはどんな覚悟が必要なんですか?」

一般男性は老婆に話しかけた。

 

すると老婆はチキン南蛮定食を食べる手を止めて、こう答えた。

「お前さんには、チキンカツ以外を食べる覚悟はあるか?」

そう聞いてくる老婆は真剣のそものだ。

 

一般男性は「チキンカツ定食を食べる覚悟があるからここに来たんだ!」

机を強く叩き老婆に言った。

老婆は「いい覚悟だね」と言いながら去って行く。

 

これが8月の終わりの出来事だ。

 

一般男性は有名女性声優のライブのことで頭がいっぱいだったものの、少しばかり老婆の言葉を気にかけていた。

「覚悟って何だろう。」

有名女性声優のライブまであと4日。

 

そんなことを考えているうちに

彼の食べかけのチキンカツは冷めきっていた。

どんどんライブの日が近づいてくる、そう思うと緊張してくる。

 

とりあえず落ち着くために定食屋さんに向かった、いつもの席いつもの品。

なんかおちんぽぉのかゆみを感じる。

これが9月の終わりの事。

 

自分に出来ることは全部やった。

後は………

 

「そうだ、社長に聞いておきたいことがあったんだ!」

そうして一般男性は社長のもとへ向かった。

 

5, ライブ

 

「チキンカツはいかがですかぁー!?」

一般男性の大きな声は社内全体に広がる。

 

社長はその声に驚き、それが一般男性の声だと分かると、社長は一般男性の元に駆けつけた。

 

「なんでここにいるんだ!」

社長は驚いた様子で訪ねて来た。

 

「社長に聞きたいことがありまして、それとチキンカツ食べます?」

いきなりのチキンカツになんとも言えない心境の社長が立っていた。

 

「とりあえず、ライブ会場行こうか。」

 

チキンカツはともかく、

ライブの開演時間まで3時間を切っていたため、2人は会社を後にした。

 

そう、チキンカツを食べながら。

 

急いで車を走らせるが、途中渋滞にあってしまう。

「このままではライブに間に合わない」社長は焦っている、ライブ時間まで後2時間と30分程度

 

「落ち着いてください、次の角を曲がれば近道できます」

一般男性は冷静に指示を出す、チキンカツを食べながら

 

ライブまで2時間を切った。

SNSでは彼女のライブに詰め寄るファンは既にお祭り騒ぎ、

車を運転する社長のボルテージも最高潮のようだ。

 

一般男性はコールを打ち始める社長を見て、

「この人の建てた会社に入社できて本当に良かった。」

そう思った刹那、涙が彼の頬をつたう。

 

今夜のチキンカツは彼の心のように暖かいものだった。

ギリギリ会場に着くと、二人は一心不乱に走った。

この最高潮に上がったボルテージをさらに上げて。

中に入ると会場内は既に満席(流石年収2000万で超有名声優だなー)と少し感動した。

 

社長はただのオタクに成り下がっていた。

「俺も負けてはいられないぞ!」

一般男性はタオルを首に巻き、はっぴを身に纏うと、一層オタク度を増し、

ガチ恋口上を練習し始めた。

 

その姿を見て社長は、

「短い間だったが、お前と共に仕事をした日々。俺は一生忘れないぞ!」

 

2人の想いは通じ合った。

座席に着くと、2人は思うがままに叫んだ。

「おちんぽぉー!!」

 

これが自分の生きた最後で最高の思い出、今となってはそんな事は出来ない。

あの日の事を思うと涙が出る、あと少しで自分と言う人間は壊れた。

 

ボロボロになったはっぴを横目で見て「ありがとう」一言お礼を言って目を閉じた。

 

6, 運命

 

ステージを後にしようとした2人、

しかし、有名女性声優が思わぬ言葉を発する。

 

「この中で年収285万円の人ー?」

 

一般男性は何かを思い出したかのように、自らの源泉徴収票に目を傾ける。

そこには、「¥2,850,000」の記載。

 

(ここで手を挙げれば何かが起こる)そんな気持ちを胸に秘める

思い切って手を挙げようとした刹那、舞台上に一人の男性が現れた。

 

それはまさに黄色に閃光のように音もなく、気配を断ち切り。

その男は会場内にいる全ての人に向けて手を広げこう言い放つ「僕は2,850,000円持っているぞ!!!」男は高らかに叫ぶ。

 

男の名は、「非凡男性」

 

驚くことに彼の実家は一般男性の幼い頃に行っていたカレー屋の息子であった。

彼は有名女性声優の大ファンで、ここぞとばかりに声を上げたようだ。

 

一般男性は、

「こうして非凡な人間に俺の覚悟は失われていくのか。」

そう思った一般男性であったが、

社長は一般男性の方を一瞥し非凡男性に叫んだ

「貴様など取るに足らない存在、この一般男性こそ未来を担う男だ!」

 

負け犬の遠吠えにしか聞こえてこないが諦めるわけにはいかないと強く思う。

 

すかさず一般男性は名乗りを上げた。

「俺は彼女と未来を歩みます!そして俺はやっぱりカレー屋を開きたい!」

 

有名女性声優は感動のあまりこう言い放った。

「私のおばあちゃんが昔言っていた通りだわ。」

その時どこからか美しいメロディーが流れてきた。

 

このメロディーどこかで聞いた事あるメロディーは優しく会場を包んだ。

 

あの日老婆に会わなければ今頃、一般男性は空を見上げて微笑んだ。

「一般男性さんっ!この後お食事にでも行きませんか?」

有名女性声優は一般男性のもとに詰め寄る。

状況が飲み込めない一般男性であったが、

彼はすぐに社長の車を借りて、いつもの定食屋に向かった。

 

2人が去っていったあと、社長は非凡男性と共にステージに立ち、お互いの虚しさを歌に乗せた。

たちまち会場は涙に包まれた。

 

7, 開業

 

二人を乗せた車はいつもの定食屋に向かっていた。

車内にはなんとも言えない空気が流れている。

有名女性声優は頬を薄紅色に染めて下に俯く。

 

一般男性は(このまま時が止まればどんなに幸せだろうか)

そう思いながらも車を走らせる。

 

定食屋が目の前に見えた途端に、

有名女性声優は声をあげた、

「このお店は、もしかして!」

一般男性は驚きを隠せず、ガチ恋口上を打ち始めるが、

しばらくしてあの老婆が店の前にいることに気づき、口上をやめる。

 

「どうやら覚悟が出来たようだね」

 

老婆はそう言って店の中に入る。それに続いて二人も店の中に入る。

がしかし中はもぬけの殻とかしていた。

 

一般男性は何故そうなったのかわからずにその場に座り込んだ。

「おばあちゃん、私やっぱりチキンカツしか食べれないのかな?」

そう、この老婆は、有名女性声優の祖母だったのだ。

 

老婆は、有名女性声優にこういった。

「もう、あんたは立派な声優だ。昔みたいにチキンカツばっか食べてないで彼とカレー屋を作ってみなさい。」

 

しかし、一般男性はチキンカツを忘れられず、

「良ければ召し上がってください。」と

いつも自分で作っていたチキンカツを有名女性声優と老婆に振る舞う。

チキンカツ定食を食べる2人の姿を見て一般男性は作って良かったと心底思った。

 

そこで有名女性声優は

「私と一緒にチキンカツカレー屋を開きませんか?」

と一般男性に顔を赤らめながら提案する。

 

「もちろん。」

 

一般男性はそう言うと、有名女性声優の差し伸べる手を両手で優しく包んだ。

 

老婆と有名女性声優がチキンカツを食べ終わると直ぐに席を立ち、「これからの計画を立てねば、」と2人は有名女性声優の住む家に向かった

 

 

ここからが一般男性の第二幕の始まりである。